みなさまこんにちは
ぐっと秋が深まりましたね。宮城は急に肌寒くなり、数日前までクーラーを使っていたのに
カーディガンを引っ張り出し、エアコン暖房も入れてしまいました。
急すぎない?過ごしやすい秋はどこに行った?って思いましたよ。
これからは春も秋も駆け足なのかもしれませんね。

さて、今月は私がデジタルでイラストを描くために使っている物を少しご紹介します。

デジタルイラストを描く道具

昨年10年近く使っていたパソコン(windows)をMacBookに買い替えました。ソフトはアドビのイラストレーターとフォトショップなのですが、立ち上がるまでえらく時間がかかり、かつよくフリーズするのでやむなく買い替えました。

ちょうどオンラインで講座を受けていたこともあり、zoomを使いながらネット上での処理や他のアプリを使おうものなら、パソコンが固まる、同じ講座を受けている方も止めてしまうし、私自身も固まって口がカラカラになる、という経験をしました。

それでイラスト系の処理が早いと言われるMacBookに変えました。
パソコンが届いた日、普通はわくわくしてすぐ開けるんでしょうが、私は一日置いておきました。
その薄いダンボール箱をながめながら、『設定して使いこなせるの自分?』と不安でした。

そして今まで使っていたペンタブレットを使おうとしたところ、ペンタブの機種が古いため最新のMacBookに対応しないことが判明。泣く泣くペンタブも買い替える羽目になりました。問い合わせに応じてくれたWacomのカスタマーサービスさんは迅速・丁寧でありがたかったです。

液晶タブレットと板タブレット
右が液晶タブレットで画面に直接ペンでタッチして描く 左と中央は手元にペンで画面を見ながら描く物 参考画像です

よくパソコンで絵を描くってどうやって描いているの?と聞かれる事が多いのですが、私はワコムのペンタブレットを使用して描いています。液晶画面に向かって直接描く(通称)液タブと、パソコンの画面を見ながら手元で描く板タブの2種類あります。液タブは高価なので、私は板タブを使っています。
今はiPadで気軽に絵を描く人も増えていると思います。

その昔、ペンタブレットを買う前は苦労しながらマウスで描いていました。
もちろんマウスが一番という方もいて、それで素晴らしいイラストを制作される方も大勢いらっしゃいます。

夏の終わりのイラストその1

今回はイラストレーターを使った作品です。
一から描く時もありますが、これは無料素材の写真を一部トレースして描きました。

ソフトクリームお姉さんは、普通に綺麗な女性の写真だったのですが、そのままじゃ面白みないなあと
頭をソフトクリームにしてみたものです。ヘアアクセサリーにコーンを添えてみました。
思いつきのほうがさくっと描けるもので、ソフトクリームだけはあっという間に描けました。

水着の女性はちょっとレトロな写真から引っ張ってきました。

クラシックカーに寄りかかってましたが彼女にフォーカスしたので車は省略!
(決して描けないわけではない、と言っておきましょう笑)

ソフトクリームお姉さんのイラスト
このソフトクリームお姉さんの絵が好きだと言ってくれた人、ありがとう
レトロ水着のイラスト
ジャストウエストなセパレーツ水着

夏の終わりのイラストその2

麦わら帽子の女の子と猫のイラスト
リップと瞳の色がキモ

こちらは優しい雰囲気で。
麦わら帽子を被った遠くを見る女性と猫ちゃん。

周りを以前描いた花々で飾っています。女性は細いブラシツールで描いて、あとから彩色しています。

一番気をつけているのは表情です。
特に唇は何度も書き直します。ほんのちょっとのカーブで表情が変わってしまうので。


唇の色も赤にしたり、オレンジにしたり、色を薄くしてみたり、ちょっと光を入れたり、と口紅を選ぶような感じです。
しつこいくらい、しっくりくるまで直します。

レーズフラワーのイラスト
レースフラワー 和名はドクゼリモドキ

次のレースフラワーはとても好きな花です。
長い茎の先にふんわりと広がる花が美しいです。

英名はQueen Anne’s Lace レース編みに長けていたアン女王のレースと可憐な花姿が似ているところから名付けられたとか。

和名はドクゼリモドキ(毒芹擬き)。猛毒のドクゼリと似ているとは言え、名前が悲しい・・・もちろん毒はありませんが。

レースフラワーは小花を作ってグループ化し、それを沢山コピー&ペーストして一つの花房にし、ゆるく束た形にしました。これはデジタルの良いところで、拡大したり縮小したり、重ね順を変えたりして全体のバランスを見ています。

ブレンド機能は分身の術?

文字のブレンド
Ninja (忍者)の文字をブレンドした図 
色んなタイトルに使えそうです

こちらの作品は、文字にイラストレーターのブレンド機能を使っています。最近このブレンド機能を使ったデザインをWEB上でよく見かけるので、応用してみました。簡単に言うと、忍者の分身の術ですかね・・(多分違う)
奥に黒い忍者、離れた手前に青い忍者。間に分身(ブレンド数)を20にすると、手前に飛び出して見える、ふうな。
分身の数で大きさも、そして色も黒から青に変化していきます。イラストレーターにはそんな便利な機能があるんです。

こんな説明でアドビさんに叱られないかな。

実際使いきれないくらい多機能が備わっています。面白いです。

ブレンド機能を使った猫のイラスト
飛び出すフォントに猫がからんでます

女か虎か

最後に紹介するこちらの作品は、最近 photoshopで作ったコラージュです。

勝手に 虎に翼だ(飛行機の) なんて思っていました。
虎に翼の意味などを調べていたら、「女か虎か」という短編小説に行き当たりました。
以下あらすじをご紹介します。

ある国で身分の低い若者が王女と恋をした。国王は若者に怒り、処刑することに。
若者は円形闘技場の二つの扉の一つを選ばなければならない。一つには飢えた虎、もう一つには美女。

虎に会えば食い殺され、美女であれば罪は許されてその美女と結婚することに。王女は必死になってどちらの扉に虎か、はたまた美女がいるかを探り当てた。恋人が虎に食い殺されるのはたまらない、しかし他の美しい女性と結婚することも耐えがたい。思い悩んだあげく、闘技場で王女がひそかに若者にさし示した扉は果たして・・

女と虎と飛行機の写真コラージュ

結末は読者にゆだねられています。
「女か虎か」 フランク・リチャード・ストックトン
 The Lady, or the Tiger ?    Frank Richard Stockton (1884)

どちらを選んだのかとても気になりますよね。作家は生涯 結末を明かさなかったそうです。
そのため後年たくさんの作家が結末を創作したようです。

中でもジャック・モフィットの書いた
「女と虎と」(1948)はEQMM(エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン)主催のコンテストで最優秀技能賞を受賞したそうです。調べてみるとこの結末も、そう来たか!?というなかなか面白いものでした。ジャック・モフィットはもともとはハリウッドの脚本家ということです。
気になる方はネットで検索してみてください。
「女か虎か」の全文が読めるサイトもあります。


物語って面白いですね。
涼しくなった秋の夜長に、本を広げることも楽しみのひとつです。
本を読んでいる時は脳内に映像が浮かぶので、面白い小説を読んだ時は映画を一本観た気になります。絵を描くことに直接かかわるわけではありませんが、面白い本を読んで想像を膨らませるのも
創作の相棒的な役割を果たしているかもしれません。

今日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。
季節の変わり目なので、皆様どうぞ体調に気をつけてこれからの良い季節を楽しんでくださいね。